【高齢者の薬に必要な知識】
どうして高齢者は薬の飲み方に注意が必要なのでしょうか?それは、加齢による薬の効き方が若い頃とは違うからです。薬は一般的には肝臓で分解されたり腎臓で排泄されたりして体内から追い出されます。この代謝が加齢とともに機能が低下していきます。肝臓は血流が悪くなったり肝細胞が減少したりして、また腎臓は血流が悪くなったり濾過(ろか)する力が低下したりしていきます。他にも体の水分量が減り血液中のアルブミンが減ることにより薬が追い出されにくくなります。結果、高齢者の体内には薬が多く長く残りますので副作用にも注意が必要になってきます。
以上は高齢者の一般的な話ですが、現実には病気として肝障害・腎障害などをもつ患者さんが多いので、医師はこれらの病気を血液・尿検査や画像(レントゲン・エコー・CT等)で障害のレベル判断をしながら患者さんに応じて薬の種類と量を決め処方しています。
高齢者は副作用が出やすいので定期的に検査をしながら確認しています。
以下に安全に薬を飲んで頂ける為の心構えをまとめました。
*用法・用量を守る 自己判断でやめない
*薬はあげない、もらわない
*定期的に血液・尿などの検査をする
*他でもらっている薬は医師・薬剤師に必ず伝える
気持ちを若く持つ事はとても大事ですが、体は若くない事を自覚する事も大事です。
薬への質問は医師・薬剤師に何でも相談しましょう。
院長 岡 慶子